佐土原町(宮崎市佐土原町)とは?
佐土原町は宮崎市の北部に位置し、かつては佐土原藩三万石の城下町として栄えました。2006年1月1日に宮崎市に編入され、現在は宮崎市の地域自治区となっています。先端産業が集積する工業都市としての一面と、宮崎市のベッドタウンとしての一面を併せ持っています。
歴史
- 城下町の歴史:江戸時代には佐土原藩の城下町として栄え、佐土原城が地域の支配拠点でした。この城は、南九州では珍しい金箔瓦を用いた天守があったことが発掘調査で判明しています。
- 近現代:明治時代の町村制施行により佐土原村が発足し、その後、広瀬町との合併などを経て佐土原町となりました。2006年に宮崎市へ編入されました。
- 遺跡:町内には旧石器時代から古墳時代にかけての遺跡が数多く点在しており、歴史の深さを物語っています。
- かつての施設:1975年から1986年までは日本初のサファリパーク「宮崎サファリパーク」があり、賑わいを見せていました。
自然・地理
- 位置・地形:宮崎市の北側に隣接し、北端は一ツ瀬川を挟んで新富町と接しています。町域の北西部に台地が広がり、一ツ瀬川沿いや海岸部には低地が形成されています。海岸近くから内陸に向かって砂丘列が見られるのも特徴です。
- 気候:年平均気温は約17度と比較的温暖な気候です。
- 面積:約56.84平方キロメートルです。
文化・観光
佐土原町には歴史的な名所や文化施設が数多くあります。
- 佐土原城跡:国の史跡に指定されており、「続日本100名城」にも選ばれています。天守台などが残り、当時の面影を伝えています。
- 宮崎市佐土原歴史資料館(鶴松館・旧阪本家):佐土原城の麓にあり、佐土原島津氏の歴史や城に関する資料を展示しています。入館は無料です。二の丸御殿の一部を復元した「鶴松館」や、江戸時代から続く商家を保存した商家資料館「旧阪本家」も含まれます。
- 愛宕神社:火難除けの神様として信仰を集め、夏には勇壮な「ダンジリ喧嘩」、秋には感謝祭が催されます。
- 佐土原人形:約400年の歴史を持つ国の伝統的工芸品で、素朴な土の温かみと色彩が特徴です。代表作に「饅頭喰い人形」があり、歌舞伎の一場面を表現したものなどもあります。
- 佐土原こま:回すと「ブーン」と小気味良い音が鳴る伝統的な独楽です。
- 観光・文化施設:
- 石崎の杜歓鯨館(かんげいかん):海の体験交流館で、宿泊研修施設や物産販売所などがあります。
- 宮崎市城の駅「佐土原いろは館」:地元の特産品などを販売する観光施設です。
- 久峰総合公園、宝塔山公園:地域住民の憩いの場となっています。
公共・コミュニティ施設
- 佐土原総合文化センター(くじら館):図書館も併設されており、イベントなども開催される地域の文化拠点です。
- 佐土原図書館
- 公立公民館:那珂地区公民館、広瀬地区交流センター、佐土原地区交流センター、久峰中校区活動センターなど、各地域にあります。
- 公園:
- 久峰総合公園:スポーツ施設も備えた広い公園です。
- 宝塔山公園
産業・特産品
- 主な農産物:「佐土原ナス」は特に有名で、他にも生姜(県内一の生産量)、スイートコーン、スイカ、日向夏、アスパラガス、ぶどう、うなぎ(「和匠うなぎ」ブランド)などがあります。
- 加工品・工芸品:前述の佐土原人形のほか、「佐土原焼せんべい」(生姜味など)も知られています。
- 工業:先端産業が集積する工業団地も有しています。
生活・アクセス
宮崎市のベッドタウンとしての機能も持ち、生活関連施設も整っています。
- 教育機関:幼稚園、認定こども園、小学校5校、中学校3校、宮崎県立佐土原高等学校があります。
- 公共施設:佐土原総合文化センター(くじら館)、佐土原図書館などがあります。
- 交通:
- 鉄道:JR日豊本線「佐土原駅」
- バス:宮崎交通バス
- 道路:国道10号線や国道219号線、主要地方道などが通り、宮崎市中心部や県内各地へのアクセスが可能です。
教育機関
- 幼稚園・認定こども園:広瀬共栄幼稚園や、佐土原幼稚園、光が丘幼稚園など複数の施設があります。
- 小学校:佐土原小学校、那珂小学校、広瀬小学校、広瀬北小学校、広瀬西小学校の5校があります。
- 中学校:佐土原中学校、広瀬中学校、久峰中学校の3校があります。
- 高等学校:宮崎県立佐土原高等学校があります。
主なイベント
年間を通して様々なイベントが開催され、地域を盛り上げています。
- 久峰公園さくらまつり(春)
- くじらのぼり掲揚&くじらのぼりマルシェ(4月下旬~5月上旬):佐土原総合文化センター(くじら館)周辺で、多数のくじらのぼりが大空を泳ぎます。マルシェも同時開催されます。
- 佐土原花しょうぶ祭(初夏)
- 佐土原夏まつり、広瀬神社夏祭り(夏)
- 一ツ瀬川花火大会(夏)